詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル 亜州リサーチ公式X 亜州リサーチ公式Instagram

  ニュース     2025/07/03 19:59 NEW!!

シンガポール:バイオ医薬の中国・薬明生物、西部の工場完成 無料記事

 バイオ医薬品の開発製造受託大手である中国の薬明生物技術(ウーシー)は、西部トゥアスで建設を進めていた工場が完成したと発表した。非臨床試験から量産まで、バイオ医薬品の製造を一貫して受託する。中国国外では同社初の拠点で、グローバルな供給体制を整える。

 医療産業の工業団地「トゥアス・バイオメディカルパーク」の約2万5000平方メートルの敷地に建設した。年内に生産設備を整え、非臨床試験向けの少量バッチから商用向けの量産まで対応可能な体制を構築する。来年初頭にGMP(適正製造基準)準拠による商業生産を開始する。

 工場では年間で最大2000リットルの抗体原薬や800万バイアル(薬瓶)の製剤を生産。アイソレーターを用いた充てんラインや自動搬送、デジタル生産管理といった最新技術を導入する。既に100人超の雇用を確保しており、今後は500人以上の体制とする。エコ認証を受けた資材の使用やリサイクル体制の導入など、環境・社会・ガバナンス(ESG)面にも配慮した運営を行う。

 中国の上海市と江蘇省無錫市、同省常州市に続くグローバル供給網の一環としてシンガポール拠点を位置付ける。米食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)、中国国家薬品監督管理局(NMPA)のGMP基準に準拠し、海外市場向けにシームレスな製造・出荷を目指す。

 同社は抗体薬物複合体(ADC)を中心とするバイオコンジュゲート製品の研究開発(R&D)や製造を手掛けている。ジミー・リー最高経営責任者(CEO)は、「トゥアス工場の早期完成により、中国とシンガポールからの二重供給体制を構築できた」とし、今後も多様化と持続可能性を重視した世界規模の製造体制を構築していくと述べた。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース

関連産業レポート