ニュース 2025/08/17 23:59 NEW!!
マレーシア:2Qの経済成長4.4%維持、内需が下支え 
経済・統計 GDP マレーシア
第2四半期の成長率を産業別にみると、建設業が12.1%と高い伸びだった。前四半期の14.2%からはやや減速したものの、非住宅や住宅、特殊工事分野の拡大が高い伸びを維持した。サービス業は5.1%で、前四半期(5.0%)からやや加速。消費関連や政府サービスが好調だった。
製造業は3.7%で安定した伸びを見せたが、石油精製の減産が一部で重しとなり、前四半期(4.1%)からは減速した。農業は好天によるパーム油の生産増で2.1%に加速。鉱業は一部の石油ガス鉱区の保守作業で生産が減り、マイナス5.2%と縮小した。
支出別では、民間投資が11.8%、公共投資が13.6%と高い伸びを記録。個人消費は5.3%と前四半期(5.0%)を上回った。雇用環境の改善や最低賃金・公務員給与の引き上げが追い風となった。輸出は電気・電子製品や観光が堅調だったが、鉱業製品の出荷が低迷。一方で輸入の伸びが加速し、純輸出は72.6%減となった。
労働市場は引き続き改善しており、雇用と賃金の増加が家計消費を下支えした。インフレ率は燃料や生鮮食品価格の下落で1.3%に低下。中銀は通年のインフレ率見通しを1.5~2.3%とし、3月発表の2.0~3.5%から引き下げた。
アブドゥル・ラシド・ガフール中銀総裁は、今後も賃金上昇や公共・民間投資の進展が成長を支えるとの見通しを示いた。一方、米国の相互関税の影響による輸出減速や外部環境の不透明感が下振れリスクになると指摘。外需の減速は避けられないとしたが、電気・電子製品や観光、内需が一部を補うと述べた。金融政策では7月の会合で政策金利を5年ぶりに引き下げ、内需の下支えと成長の持続を図る姿勢を示している。
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