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  ニュース     2025/08/12 20:59 NEW!!

シンガポール:2Qの経済成長4.4%、通年予想は上方修正=貿産省 無料記事

 貿易産業省は12日、2025年第2四半期の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率が前年同期比4.4%だったと発表した。第1四半期(4.1%)から加速し、4四半期連続で4%を超えた。上半期では前年同期比4.3%。同省は想定を超えた上半期の好調さを踏まえ、25年の年間成長見通しを従来の0.0~2.0%から1.5~2.5%へ上方修正した。

 第2四半期の成長率を産業別にみると、生産部門では製造業が5.2%と伸び、化学など一部を除く各分野でプラスだった。建設業は6.0%で、公共・民間ともに好調。サービス業は4.3%で、前四半期(3.8%)から伸びが加速した。

 サービス業では卸売りが4.7%と伸び、機械・装置・資材の取引がけん引。運輸・倉庫は5.1%、金融・保険は4.2%、小売りは0.7%だった。一方、外食はマイナス0.5%と縮小。市民の海外旅行が増えたことが影響した。

 GDP成長率は季節調整済み前四半期比で1.4%となり、前四半期のマイナス0.5%から反発。製造業はマイナス0.4%と調整局面が続くが、建設はプラス5.7%と好調だった。サービス業は1.5%と前四半期の0.6%から伸びが加速。好調な輸出を背景に卸売りが2.8%と伸びた。

 第2四半期のその他の指標をみると、失業率は2.1%で、前四半期から0.1ポイント上昇。固定資産投資(FAI)認可額は40億シンガポールドル(約4620億円)となり、前四半期の約2.4倍に拡大した。物品輸出額は11.7%増、輸入は2.2%増だった。

 貿産省は、米国による相互関税の90日間停止措置で第2四半期に前倒し出荷が発生し、生産・輸出を一時的に押し上げたと分析。ただ下半期は、前倒し需要の喪失と関税発効で主要貿易相手国の成長が減速し、外需依存部門の伸びが鈍るとみている。この影響は製造業で大きく、卸売りや運輸・倉庫にも波及すると分析。ただAI(人工知能)の普及拡大を背景に半導体では先行き見通しが明るく、高度化が進む航空機MRO(整備・修理・分解点検)も楽観できるとしている。

 リスクとしては、米通商政策の不確実性、世界的な資本フローの不安定化、地政学的緊張の高まりに伴うエネルギー供給の混乱などを挙げ、総じて下方リスクに傾いていると警戒を示した。


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