複合企業DRBハイコム傘下で国民車メーカーのプロトンは、生産台数を年50万台に増やし、うち半数の25万台を輸出する目標を設定した。リー・チュンロン最高経営責任者（CEO）がこのほど明らかにしたもので、タイやインドネシアへの再進出や他の市場への輸出に向け、まずは生産準備を整える。ポールタンが6日付で伝えた。

　このほど発売した新型セダン「S70」に関する記者会見で、記者からの質問に答えた格好。資本提携する中国・吉利汽車がプロトンを東南アジアで上位3位の自動車メーカーに育てると以前報じられたが、いまだタイやインドネシアに打って出る動きがないとのコメントに対し、まずは輸出拡大を支えるための生産体制の拡充を進めるとした。

　同CEOは、タイとインドネシアに以前進出したが失敗に終わったとコメント。自動車生産が100万台を超す両市場への再進出は慎重な計画が必要で、まずは生産体制を整えるとした。またこれら2カ国とは異なる新市場を開拓することも示唆した。

　なおi3インベスターの10月の報道によると、プロトンの現在の年産能力は33万台で、ペラ州タンジュンマリムの工場が25万台、首都圏セランゴール州シャーアラムの工場が8万台となっている。販売台数を22年の14万1000台から30年までに31万台に増やすため、24～30年に60億リンギ（約1880億円）を投資すると伝えられている。

　同社の23年1～11月の販売台数（輸出含む）は前年同期比12％増の14万1900台。過去最高だった22年通年（14万1432台）を11カ月で上回った。うち輸出は3024台だった。


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