シンガポール経済開発庁（EDB）が26日発表した2025年5月の鉱工業生産指数（19年＝100）は119.8となり、前年同月比で3.9％上昇した。前年同月を上回るのは11カ月連続となる。ただ伸び率は2カ月連続で縮小し、主力の電子（3.9％上昇）も前月から減速した。季節調整済みの前月比では0.4％低下し、2カ月ぶりのマイナスとなった。

　6分野のうち一般製造（8.9％低下）を除く5分野が前年同月比で上昇した。電子では、前月まで2桁増が続いていた主力の半導体（3.4％上昇）が減速。コンピューター周辺機器・データ記憶装置（18.7％低下）は前月の2桁増から一転してマイナス転換した。

　電子以外では、輸送エンジニアリング（25.6％上昇）が4カ月連続の2桁増で、特に航空機MRO（整備・修理・分解点検）サービスが好調となっている。バイオ医療（6.1％上昇）は2カ月ぶりにプラス転換し、バイオ医薬品の生産増などにより医薬品（17.9％上昇）が大きく伸びた。精密エンジニアリング（10.3％上昇）は、半導体装置や計測機器の生産が増えた。

　一般製造は飲料などの落ち込みで5カ月連続の前年割れを記録。ただ下げ幅は前月から縮小した。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。