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  ニュース     2025/02/16 22:59

シンガポール:24年の経済成長4.4%、25年は1~3%予想 無料記事

 貿易産業省は14日、2024年の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率が前年比4.4%だったと発表した。1月発表の速報値(4.0%)を上昇修正した格好。製造業がプラス成長に回復する中、23年の1.8%から大きく加速し、22年以降では最高の伸びを記録した。同省は一方、25年の成長率予想を従来の1.0~3.0%に据え置いた。

 24年の成長率を産業別にみると、製造業が4.3%で、前年のマイナス4.2%からプラス転換。世界的な半導体需要の回復で電気・電子分野の生産が活発化した。一方、建設業は4.5%で、前年の5.8%から伸びが鈍化。ただ民間・公共ともに建設活動は活発だった。

 サービス業は4.4%と、前年の3.3%から加速した。うち最も伸びが高かった分野は金融・保険の6.8%。投資家心理の変化で取引が増加し、金融機関の手数料収入が増えた。卸売りも5.1%と高い伸びで、半導体サイクルの改善が影響した。一方、国内消費者の海外旅行が増える中、小売りはマイナス0.4%と縮小した。

 24年第4四半期のGDP成長率(確定値)は5.0%で、16四半期連続のプラス。1月発表の速報値(4.3%)を上回った。

 貿産省は25年のGDP成長率を1.0~3.0%と予想。地政学的緊張の高まりや米国のトランプ政権による貿易政策が成長の重しになるとみている。特に米国が対中輸入関税を10%引き上げ、鉄鋼・アルミニウム輸入に25%の関税を課す方針を示したことで、貿易摩擦の激化が懸念されると説明。世界経済の不確実性が高まる中、シンガポールの外需も影響を受ける可能性があるとしている。


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