半導体後工程請負サービス（OSAT）のイナリ・アメルトロンは1日、発光ダイオード（LED）チップ中国最大手の三安光電と共同で、LED照明の蘭ルミレッズ・ホールディングを完全買収すると発表した。買収額は2億3900万米ドル。ルミレッズのアジア・欧州の子会社11社も傘下に収め、事業範囲を広げて新たな収入源を確保する。

　イナリと三安光電は香港に設立する特別目的会社（SPV）を通じて来年9月までに買収する。出資比率は三安光電が74.5％、イナリが25.5％。買収資金に加えて、運転資金として4100万米ドルを注入する。これにより総投資額は2億8000万米ドルに上る。

　ルミレッズは2014年設立。中高級LED製品の製造・販売で世界的に知られており、自動車照明やフラッシュライト、商業施設向けの特殊照明などを手掛ける。イナリは今回の買収により、製品ポートフォリオと顧客基盤の拡大を図る。

　三安光電は一方、買収について、既存のLEDチップパッケージング（封止）事業と相互補完効果を生み、国際的なハイエンドサプライチェーン（供給網）に迅速に参入できると説明。また、ルミレッズの海外生産拠点と販売ネットワークを活用して戦略的シナジーを追求すると強調した。

　イナリはマレーシアとフィリピン、中国で13工場を運営し、計6000人を雇用している。


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