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  ニュース     2021/07/14 20:59

シンガポール:2Q成長率14.3%、「谷底」から反動増 無料記事

【亜州ビジネス編集部】貿易産業省が14日発表した2021年第2四半期の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率は前年同期比14.3%と、2四半期連続でプラスだった。新型コロナウイルス禍で「谷底」となった20年第2四半期(成長率マイナス13.3%)からの反動で大幅に伸びた。ただ新型コロナの再拡大で季節調整済み前四半期比ではマイナス2.0%だった。

 前年同期比の成長率を産業別にみると、建設業が98.8%で最も高い伸び。コロナ禍が始まって以降初のプラスで、20年第2四半期に多くの建設事業が停止した反動が出た。次いで高かったのは製造業の18.5%で、4四半期連続のプラス。伸び率は第1四半期の11.3%から加速した。バイオを除く全ての製造部門がプラスで、世界的に半導体需要が高まる中でとりわけ電子部門が大幅に伸びた。

 サービス業は9.8%で、コロナ禍が始まって以降初のプラス。新型コロナと感染対策である厳しい制限措置によって「谷底」となった前年同期からの反動が出た。内訳をみると、ホテル・レストラン・不動産管理・その他サービスが13.4%で伸び率が最高。卸小売り・運輸・倉庫は9.3%、情報通信・金融・保険・プロフェッショナルサービスは7.8%といずれもプラスだった。

 全体のGDP成長率は季節調整済み前四半期比でマイナス2.0%となり、4四半期ぶりに縮小。新型コロナ再流行で再び厳しい制限措置が講じられたことが影響した。産業別では情報通信・金融・保険・プロフェッショナルサービス(プラス0.4%)を除く全産業がマイナスで、建設業はマイナス11.0%と落ち込んだ。製造業はマイナス1.8%だった。

 貿産省は5月の発表で、21年の成長率予測をプラス4.0 6.0%に据え置いている。政府が5月初めから6月半ばまで厳しい制限措置を発動したことで、先行き不透明感が強まったものの、第1四半期の経済指標が堅調だったことから、従来の成長率予想を維持。8月に新たな成長率予想を発表するとしている。


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