フィリピン統計庁（PSA）が10日発表した2020年5月の貿易統計（速報値）によると、輸出額は前年同月比35.6％減の39億8990万米ドルだった。新型コロナウイルス対策の外出・移動制限の影響で、3カ月連続の減少。ただ、制限の一部緩和で企業活動の再開が進み、下げ幅は前月（49.9％減）を下回った。輸入額は40.6％減の58億5500万米ドル。貿易収支は18億6510万米ドルの赤字だった。
　輸出では全体の5割を占める電子製品が33.4％減少するなど、上位10品目のうち8品目が2桁の減少。一方で残り2品目の機械・輸送機器（4.2％増）とその他鉱物製品（12.8％増）はプラスを確保した。
　主要10カ国・地域への輸出はいずれも2桁の減少。全体の18.3％を占め最大となった対日輸出は15.6％減と比較的小幅な下げだったものの、米国とドイツへの輸出は下落幅が50％を超えた。中国向けは34.3％減だった。
　輸入は品目別で最大の電子製品が27.2％減となるなど、上位10品目が軒並みマイナス。国・地域別では2割を占め最大の中国からが42.9％減少。日本からの輸入は44.1％減だった。
　1〜5月の累計では、輸出額が前年同期比20.7％減の225億5610万米ドル、輸入額が29.9％減の323億9860万米ドル、貿易収支が98億4250万米ドルの赤字だった。


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