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  ニュース     2025/06/19 20:57

インドネシア:中銀が政策金利据え置き、世界情勢を注視 無料記事

 インドネシア中央銀行は18日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利、BIレート)を5.50%に維持する決定を下したと発表した。5月の前回会合で4会合ぶりに利下げしたが、今回は金利を据え置いて追加緩和の余地を残した。通貨ルピアの動向や世界的な地政学リスクに注視するとしている。

 ロイター通信によると、今回の金利据え置きは市場の予想通り。エコノミスト31人のうち21人が据え置きを見込んでいた。中銀は昨年9月以降、これまでに計3回の利下げを実施している。

 ペリー・ワルジヨ中銀総裁は会見で、「年内と来年のインフレ率は目標レンジ内に収まるとみており、家計消費や投資を下支えするため、さらなる利下げの余地を探っていく」と説明。ただし利下げの時期については、世界情勢やルピアの安定性に左右されるとし、慎重な姿勢を示した。

 中銀によると、5月のインフレ率は前年同月比1.6%で、引き続き目標レンジ(1.5~3.5%)の下限付近にとどまった。家計の消費活動がやや弱含んでいることが背景とみられる。

 一方、5月の融資残高伸び率は前年同月比8.43%にとどまり、2023年6月以来の低水準となった。中銀は今回、商業銀行に対し、貸出金利を引き下げて信用供給を促すよう要請。これまでに実施された預金準備率の緩和により、金融機関には総額372兆ルピア(約3兆3000億円)の流動性が追加で生じているという。

 中銀は25年の国内総生産(GDP)成長率については、従来の予測レンジである4.6~5.4%を維持。年後半にかけて経済活動の回復が進むと見込んでいる。

 DBS銀行のラディカ・ラオ氏は、「中東情勢の緊迫化や地域通貨への影響を警戒しつつも、年後半には0.5ポイントの利下げが実施され、終点金利は5.0%となる可能性がある」との見通しを示した。


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