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  ニュース     2025/02/23 20:58

インドネシア:2年連続で経常赤字、24年はGDP比0.6%に拡大 無料記事

 インドネシア中央銀行は20日、2024年の経常収支が88億5600万米ドルの赤字だったと発表した。赤字は2年連続で、赤字額の国内総生産(GDP)比は0.6%と、前年の0.1%から上昇。世界経済の減速で貿易黒字が減少し、サービス収支の赤字が続く中で全体の赤字が拡大した。ただ中銀は、世界経済の動向を踏まえれば赤字を低く維持できていると説明している。

 内訳をみると、貿易収支は年間を通じて黒字を維持し、通年で399億2600万米ドルの黒字となった。ただ黒字額は23年から13.7%縮小しており、世界経済減速の影響が見られた。

 サービス収支は186億6700万米ドルの赤字で、少なくとも22年以降は赤字続き。赤字幅は前年比で5.6%拡大した。

 対外金融債権・債務から生じる利子や配当などの収支状況を示す第一次所得収支は、360億9200万米ドルの赤字。少なくとも3年連続の赤字だった。官民の無償資金協力など対価を伴わない資産提供に伴う第二次所得収支は59億7700万米ドルの黒字だった。

 経常収支は11年以降、長期的に赤字傾向が続いていたが、ニッケルの未加工輸出禁止が始まった20年から一時的に黒字化し、22年までその傾向が続いた。しかし、23年以降は世界経済の停滞の影響で輸出が低迷し、再び赤字に転じた。

■国際収支は72億ドル黒字、資本流入で

 24年の国際収支は72億1000万米ドルの黒字だった。黒字額は前年から14.4%増加。特に資本・金融収支の黒字拡大が寄与した。中銀は、インドネシアの国際収支は外部圧力に対して強い耐性を示しており、世界的な金融市場の不確実性が続く中でも安定していると説明。今後も世界経済の動向を注視しながら、外部経済の安定を確保するための政策対応を強化するとしている。

 一方、外貨準備高は24年末時点で1557億米ドルとなり、23年の1464億米ドルから6.3%増加した。輸入と対外債務返済の6.5カ月分に相当し、国際的な適正水準(約3カ月分)を大幅に上回る水準で推移している。


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