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  ニュース     2025/03/19 20:58

シンガポール:2月の民間住宅販売数、13年ぶり高水準に 無料記事

 シンガポール都市再開発庁(URA)によると、2025年2月の新築民間住宅(コンドミニアム、アパート)の販売戸数は1575戸となり、前年同月比で約10倍に増加した。2月の販売数としては13年ぶりの高水準となる。郊外の新規事業2件が市場拡大をけん引した。ストレーツタイムズなどが17日付で伝えた。

 前月比では45.4%増加し、24年12月以降で最多だった。公営住宅(HDB)に民間住宅の要素を組み入れたエグゼクティブ・コンドミニアム(EC)を含めた販売戸数は1604戸だった。

 販売の大半は中心部以外(OCR)で、1452戸が成約。中心部(CCR)では25戸、中心部周辺(RCR)では98戸の販売にとどまった。

 2月の販売を支えたのは、東部タンピネスの「パークタウン・レジデンス」と中心部西郊クレメンティの「エルタ」の2案件だった。パークタウン・レジデンスは総戸数1193戸のうち1041戸(87%)を販売。商業施設やMRT(地下鉄・高架鉄道)新駅、バスターミナルが併設される統合開発で、利便性の高さから公営住宅からの買い替え需要を取り込んだ。エルタは総戸数501戸のうち326戸(65%)を販売し、特に2ベッドルームは179戸と成約率が98%に達した。

 25年第1四半期の販売は、前年同期を大きく上回る見通しで、新規供給の増加が市場の活性化を後押しするとみられている。3月には北部レンターで「レンター・セントラル・レジデンス」、タンピネスで「オーレル・タンピネス」など3物件が発売され、引き続き販売が堅調に推移すると見込まれる。

 一方、市場の先行きには不透明感も残る。世界経済の不確実性や地政学的リスクが住宅需要に影響を及ぼす可能性があるほか、価格上昇に対する懸念も強まっている。不動産検索サイト「モーグル」のニコラス・マク最高研究責任者(CRO)は、25年の新築住宅販売が9500戸に達する可能性を指摘しつつも、住宅価格の上昇が続けば政府が不動産市場抑制策を講じることも考えられると分析している。


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