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  ニュース     2025/07/14 20:59 NEW!!

シンガポール:2QのGDP成長率、4.3%に加速=速報値 無料記事

 貿易産業省は14日、2025年第2四半期の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率が前年同期比4.3%だったと発表した。第1四半期(4.1%)からやや加速し、2四半期連続で4%台の成長を維持した。米国が4月に相互関税の一時停止を打ち出したことで輸出の前倒しが起き、予想外に高い成長を記録した。

 生産部門では、製造業が5.5%となり、第1四半期の4.4%から加速。化学と一般製造を除く全クラスターで生産が拡大した。ストレーツタイムズによると、OCBC銀行チーフエコノミストであるセレナ・リン氏は、相互関税の停止期間中に製造業の受注・輸出ラッシュが起きたとしている。一方、建設業は4.9%で、公共建設の進展が成長を下支えした。ただ前四半期(5.1%)からはやや鈍化した。

 サービス業は全体で4.1%と、第1四半期の3.7%から加速。中でも卸小売り・運輸・倉庫業が4.8%と伸び、海運サービスや機械類の取引が好調だった。情報通信・金融・保険・プロフェッショナルサービスは3.8%で、IT(情報技術)や銀行業務などの需要が続いた。宿泊・外食・不動産・管理支援サービスも3.4%と、観光の回復を背景に堅調だった。

 GDP成長率は季節調整済み前期比で1.4%と、前四半期(マイナス0.5%)からプラスに転換した。生産部門では、製造業が0.1%(前四半期はマイナス5.5%)、建設業が4.4%(同マイナス1.8%)と回復。サービス業は1.4%で、前四半期の0.6%から伸びが加速した。

 25年上半期の成長率は前年同期比で平均4.2%。貿産省は、依然として米国の関税政策の不透明感が強く、これが25年上半期の世界経済の下振れリスクの一つになると指摘した。同省は5月、通年の成長率予想を0.0~2.0%としており、今回は予想見直しについて言及していない。

 一方、OCBC銀行は上半期の好調を受けて、25年の成長率予測を従来の1.6%から2.1%に上方修正。メイバンクも予測を2.4%から3.2%に引き上げた。同行は、貿産省が8月のGDP確定値発表時に通年見通しの上限を3.0%に上方修正する可能性があるとみている。


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