飲食店や小売店にPOS（販売時点情報管理）ソリューションを提供するiPOS.vnは、2025年の国内食品・飲料（F&B）市場が前年比9.6％拡大するとの予想を発表した。2桁増だった前年から成長が鈍化するものの、依然として高い伸びを維持する見通し。ただ消費行動の変化や原材料価格の上昇などで独立系のカフェやレストランには厳しい状況が続くとみている。ベトナム・インベストメント・レビューが18日付で伝えた。

　iPOS.vnは、スイス食品大手ネスレ傘下のネスレ・プロフェッショナルと共同で実施した調査の結果を集計。調査では全国のレストラン約4005店とカフェ約4453店にアンケートを行った。24年のF&B市場は16.6％増の688兆8000億ドン（約4兆円）規模で、25年もプラス成長を維持するものの、成長ペースは落ちるとの予想が出た。

　調査では24年の業績について、25.5％の企業が「前年から横ばい」と回答し、「改善した」は14.7％にとどまった。その他の企業では業績が振るわず、原料費価格の上昇も相まって、独立系店舗では特に閉店が相次いだ。

　iPOS.vnは消費者に対してもアンケート調査を実施。その結果、消費者の支出傾向について全体的な落ち込みはみられないものの、「価格と品質のバランスが取れた選択肢を優先する」傾向が強まっていることが分かった。

　外食については、週末の外食が増えており、調査対象の7割が「時々または頻繁に外食する」と回答。飲料については、外で飲み物を週3～4回楽しむ人の割合が23年の17.4％から24年には32.8％へと大幅に上昇した。また消費者の52.3％が1杯当たり3万5000ドン以下の価格帯を好むことが分かった。

　iPOS.vnは、ベトナムのF&B市場は今後も成長を続けるものの、事業者には価格調整や経営戦略の見直しが求められると指摘している。


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