【亜州ビジネス編集部】独フォルクスワーゲン（VW）傘下のスポーツカーメーカーであるポルシェがマレーシアに設ける組立工場は北部ケダ州に位置することが、貿易産業省の3日発表で分かった。

　ポルシェは8月30日、コングロマリット（複合企業）大手サイムダービーの自動車部門であるサイムダービー・モーターズ（SDM）と組み、マレーシアで組立生産を行うと発表。ただ工場の立地は明らかにしていなかった。なおケダ州にはSDM子会社のイノコムが生産拠点を持ち、独BMWやマツダ、韓国の現代自動車などの車両の組立生産を行っている。

　ポルシェが欧州以外で組立生産を行うのはマレーシアが初めて。来年に生産開始する予定で、マレーシア市場でのみ売り出す。

　アズミン・アリ貿産相は、自動車のOEM（相手先ブランドによる生産）ハブとしてのマレーシアの信頼性や、長期的な成長見通し、人材力の高さなどが世界有数の自動車メーカーに評価された意義は大きいと述べている。

　一方、ポルシェの代表者は先月末の声明で、マレーシアを欧州以外の初の工場進出先に選んだ背景として、サイムダービーと築いてきた信頼関係と顧客層の厚さ、市場成長性などを吟味した結果だと説明。昨年は新型コロナウイルス禍でありながら、マレーシアではポルシェ車の販売が9％伸びたとしている。


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