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  ニュース     2020/08/05 23:59

インドネシア:2QのGDPは5.3%減、21年ぶりマイナス 無料記事

【亜州ビジネス編集部】インドネシア中央統計局は5日、2020年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比でマイナス5.32%だったと発表した。マイナスとなるのはアジア通貨危機の影響下にあった1999年第1四半期以来、約21年ぶり。政府予想のマイナス4.3%、ロイター通信のアナリスト予想のマイナス4.6%を下回った。新型コロナウイルス流行とその対策である大規模な社会制限の影響で消費や投資が停滞した。
 成長率を支出別にみると、全ての部門でマイナス。個人消費はマイナス5.51%、政府支出はマイナス6.90%、住宅投資や設備投資、公共投資など固定資本の追加分を表す総固定資本形成(PMTB)はマイナス8.61%だった。輸出はマイナス11.66%、輸入はマイナス16.96%と2桁減だった。
 産業別にみると、農業(プラス2.19%)を除く全ての産業でマイナス。最も下がったのは商業・修理業でマイナス7.57%だった。製造業はマイナス6.19%、建設業はマイナス5.39%、鉱業はマイナス2.72%と縮小した。
 政府は6月初めから大規模な社会制限を徐々に緩和しているが、経済活動は新型コロナ流行前まで到底回復していない。ジャカルタポストによれば、中央統計局のスハリヤント長官は、第2四半期に大きく経済が縮小したのは個人消費と投資が停滞したことが主因と述べ、第3四半期にはこれを拡大させるための施策が打たれるべきと主張している。政府はこれまで総額695兆2000億ルピア(約5兆円)規模の景気刺激策を打ち出したが、新型コロナ感染が収束せず、また官僚主義的な手続きも足かせとなり実行が遅れている。
 政府は20年通期の成長率が最も良くてプラス1.0%、最悪でマイナス0.4%になると予想している。


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