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  ニュース     2019/10/03 20:59

ベトナム:サムスンが中国のスマホ生産終了、越印に移管へ 無料記事

 韓国のサムスン電子は2日、中国のスマートフォン生産を終了したことを明らかにした。同国では市場シェアが落ち込む一方、人件費が上昇しており、事業効率が悪いと判断。対米輸出で高い関税が課されるリスクも考慮し、ベトナムやインドに生産設備を移管する。複数の外電が伝えた。
 中国では複数の工場を運営していたが、天津工場は1年前に閉鎖。今年6月には広東省恵州で工場1カ所を閉鎖し、このほど恵州のもう1つの工場で生産を終了した。サムスンは声明で、事業効率化を図る中で、恵州工場の閉鎖という難しい決断に至ったと説明。ただし中国での販売は続けるとしている。
 外電は中国スマホ工場の閉鎖理由が少なくとも3つあると指摘。1つは中国市場におけるシェア低下で、小米科技(シャオミ)やファーウェイ(華為技術)など国産ブランドの台頭により、サムスンのシェアが2013年半ばの15%から1%まで奪われたことがある。2つ目は中国の人件費上昇で、他国に比べて魅力が薄くなったこと。3つ目は米中貿易が長期化する中、米国がサムスンのスマホに高い関税を課すリスクを拭えないこととしている。
 サムスンはベトナムにスマートフォンの製造子会社2社を持ち、同社のスマホ世界生産の半数を手掛けている。ベトナムにはほかにも家電や液晶ディスプレー(LCD)の製造子会社を持ち、昨年の輸出額は前年比12%増の600億米ドルに上っている。
 インドでは7億米ドルを投じ、昨年に世界最大のスマホ工場を開設。同工場の年産能力は来年にも1億2000万台に達する見通しという。


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