情報技術（IT）販売の台湾系シネックス・タイランドは、2020年の国内IT市場が前年比で横ばいか1桁増にとどまるとの予測を示した。新型コロナウイルスの感染拡大により、中国でサプライチェーン（部品供給網）が混乱。在庫の減少につながっており、市場が伸び悩むとみている。バンコクポストなどが伝えた。

　第1四半期は、一部の製品で在庫が通常より20％減少。中国の工場が操業をまだ完全に再開していないことから、第2四半期も供給不足が続くと同社は懸念している。一方、タイ政府の景気刺激策と新型コロナに対する適切な感染拡大対策が講じられれば、下半期に市場は回復に向かうと指摘。特に新しいハイエンド製品がけん引するとの見方を示した。

　一方、米系調査会社IDCタイランドも、20年の国内のIT製品・サービス支出額が横ばいか微増にとどまるとの予測を示した。新型コロナの感染拡大により、通信インフラやデータセンターへの投資が低調となるなか、クラウドサービスの運用とデジタル化が進展する見通し。特に感染防止を目的としたビデオ通話の活用が増えることで、関連分野の開発が後押しされると見込んでいる。


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