スイス系食品・飲料大手のネスレ・マレーシアは26日、首都圏セランゴール州シャーアラムの工場でコーヒー濃縮液「ネスカフェ・エスプレッソ・コンセントレート」の生産を開始したと発表した。同製品の生産ラインをアジアに設けるのは初めて。拡大するアイスコーヒー需要に対応する。

　スリムダ地区の工場に新たな生産ラインを設けた。「ブラック」と「スイートバニラ」の2種類のコーヒー濃縮液を生産する。国内で販売するほか、シンガポールやオセアニア、中東・北アフリカ（MENA）地域に輸出する計画で、将来は欧州への出荷も視野に入れる。

　ビジネスタイムズなどによると、容器には100％リサイクルのペットボトルとキャップを採用した。工場では2019年以降、累計10億本以上のプラスチックストローを削減するなど環境負荷低減に取り組んでおり、新たなラインでも持続可能性を重視した姿勢を反映している。

　同工場は麦芽飲料「ミロ」やインスタントコーヒー「ネスカフェ」、粉ミルク「オメガプラス」などを生産する地域の一大拠点で、過去10年間の設備投資額は5億リンギ（約175億円）を超えた。ネスレはマレーシア事業全体でも過去5年間に約15億リンギを投じており、セランゴール州のクラン地区で建設中の物流拠点は来年の完成を予定。またシャーアラムのバトゥティガ地区とヌグリスンビラン州チェンボンにあるミロの工場でも大規模改修工事を進めている。


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