ダイハツなどが出資する国民車メーカーのプロドゥアは1日、同社初の電気自動車（EV）「QV-E」を発売した。持続可能なEVエコシステム構築に向けた取り組みの一環で、価格は保険料とバッテリー料金を除き8万リンギ（約300万円）。EVで先行する国民車メーカーのプロトンを後追いする格好だ。国営ベルナマ通信などが同日付で伝えた。

　QV-Eはコンパクトサイズのスポーツ多目的車（SUV）で、52.5キロワット時（kWh）のリン酸鉄リチウム（LFP）電池を搭載。航続距離は最大445キロメートルで、最高出力は204馬力。0～100キロ加速は7.5秒で、プロドゥアのラインアップでは最速となる。

　開発には8億リンギを投じ、100人以上のマレーシア人専門家が参画した。発売式典にはアンワル首相も出席し、「QV-Eは地元人材の専門性、規律、努力、忍耐の結晶だ」と評価。政府は新産業マスタープラン（NIMP2030）で、国産EVエコシステムの形成を加速させるための中心的な役割をプロドゥアに期待しており、同社は今後、EVラインアップの拡充やバッテリー開発を加速させる。

　なおプロトンは昨年12月にEVブランド「e.MAS（イーマス）」の第1弾を発売。資本提携する吉利汽車のSUV「EX5（銀河E5）」をベースとしたモデルで、今年11月には第2弾となる小型ハッチバック「e.MAS5」を発売している。


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