電子製品の受託製造サービス（EMS）を手掛けるフィンランドのスキャンフィルは3日、南部ジョホール州の工場の拡張工事を完了した。1580万リンギ（約5億5400万円）を投じたもので、生産面積を5割拡大。高まるEMS需要に対応する体制を整えた。

　同工場は昨年買収したSRXグローバルの拠点で、従来は自動化された表面実装技術（SMT）ライン4本と170人の従業員で稼働していた。電子機器や複雑なボックスビルド製造をワンストップで手掛けている。アジア太平洋では豪メルボルンの拠点と並び、成長の柱と位置付けている。

　スキャンフィルのクリストフ・シュート最高経営責任者（CEO）は、マレーシアでの追加投資を決めた理由として、良好で安定した事業環境があったと説明。工業や医療・生命科学分野の顧客からの受注拡大に期待を示した。マレーシア投資開発庁（MIDA）のシーク・シャムスルCEOは、「先端技術の導入や高度人材の雇用創出につながる」とスキャンフィルの追加投資を評価。第4次工業化基本計画（NIMP2030）や国家半導体戦略（NSS）にも沿っており、国内製造業の強化に寄与すると期待を示した。


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