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  ニュース     2025/07/15 20:56 NEW!!

インドネシア:EUとの経済連携協定で政治合意、9月署名へ 無料記事

 インドネシアと欧州連合(EU)は13日、包括的経済連携協定(IEU-CEPA)の締結に向けた政治合意に達した。ベルギーのブリュッセルで同日、約9年の交渉を経て交換書簡を交わしており、9月にも正式に署名する。

 両者は2016年に交渉を開始し、これまで19回の公式協議を行ってきた。今回の書簡交換は、プラボウォ大統領と欧州委員会(EC)のフォンデアライエン委員長立ち合いのもと、アイルランガ・ハルタルト経済調整相とEUのマロシュ・シェフチョビッチ委員(貿易担当)によって行われた。書簡には、交渉過程への相互評価とともに、残された実質的な争点を双方の利益に資する形で早期に解決する方針が盛り込まれた。

 IEU-CEPAは、発効後に関税撤廃対象が全品目の約8割に及ぶ見通しで、両地域間の貿易・投資拡大が期待される。24年のインドネシアとEUの貿易額は301億米ドルで、うちインドネシアからの輸出は175億米ドルだった。インドネシア政府は、協定発効により貿易総額が600億米ドル規模へ倍増する可能性があると見込む。

 フォンデアライエン委員長は会見で、「この協定は重要な原材料の安定確保に寄与し、欧州のクリーン技術や鉄鋼産業の競争力を支える」とコメント。一方でプラボウォ氏は、残る争点は既にほぼ解消されており、歴史的な進展になると述べた。

 EUはかつて、東南アジア諸国連合(ASEAN)との自由貿易協定(FTA)締結を目指したものの、09年に交渉は頓挫。その後は各国との個別交渉に切り替え、シンガポールおよびベトナムとはFTAを締結した。現在はタイ、フィリピンとも交渉を進めている。


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