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  ニュース     2025/09/28 20:55

インドネシア:カナダとの経済連携協定を締結、輸出拡大に期待 無料記事

 政府は24日、カナダとの包括的経済連携協定(CEPA)に署名した。北米との本格的な自由貿易協定は初めてで、対カナダ輸出額は2030年までに118億米ドル拡大する見込み。国内総生産(GDP)を0.12%、投資を0.38%押し上げる効果が期待される。

 オタワで開かれた式典にはインドネシアのプラボウォ大統領とカナダのカーニー首相が立ち会い、両国の通商担当大臣が署名した。経済分野では、カナダがインドネシア製品の90.5%に対する関税撤廃を盛り込んだ。家具や小型電子機器、自動車部品などが含まれ、加工食品や水産物、花崗岩、大理石などは発効後に即時撤廃される。一方、インドネシアはカナダからの輸入品の85.8%を自由化。冷凍牛肉や小麦、ジャガイモ、水産物、加工食品などが含まれる。

 投資環境の整備も柱となる。インドネシア投資公社(INA)とカナダ輸出開発公社(EDC)は、最大8億2500万カナダドル(約886億円)の融資枠を設定する協力枠組みを構築。インフラやデジタルサービス、再生可能エネルギー、先端製造業などの重点分野で、カナダ資本の呼び込みと企業間取引の拡大を図る。

 両国の貿易額は24年に56億米ドルに達し、カナダにとってインドネシアは東南アジア最大の輸出市場となっている。ただ輸出入の規模は依然として限られており、今回のCEPAは市場アクセス拡大と供給網強化を促す起爆剤となることが期待されている。

 なお両政府は今回、安全保障に向けた防衛協力協定も締結。インドネシアの多国間演習「スーパー・ガルーダ・シールド」へのカナダ軍の参加や、定期的な防衛対話、軍需産業の協力強化が盛り込まれた。


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