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  ニュース     2025/10/20 20:58 NEW!!

シンガポール:隣国サラワクから電力1千MW輸入、EMAが原則承認 無料記事

 シンガポールのエネルギー市場監督庁(EMA)は17日、同国政府系の複合企業セムコープ・インダストリーズがマレーシアのサラワク州から1000メガワット(MW)の低炭素電力を輸入する計画を原則承認した。セムコープは同州政府系の電力会社サラワク・エナジー(SEB)と協力し、サラワクで盛んな水力発電の電力を輸入する。新たに海底電力ケーブルを敷設して2035年の輸入実現を目指す。

 同庁は両社の提案が技術面・商業面で実現可能であると評価して原則承認し、マレーシア政府とも合意した。事業は東南アジア諸国連合(ASEAN)の国際送電網構想「ASEANパワーグリッド(APG)」の一環となる。

 シンガポールは35年までに6000MWの再生可能エネルギー電力の輸入を目指しており、昨年12月にはベトナム政府との間で風力発電電力1200MWの輸入に合意していた。今回は2件目の大型電力輸入事業で、計2200MWを確保したことになる。他にインドネシアとカンボジア、豪州からの輸入も目指す。

 サラワクからの海底ケーブル敷設については、セムコープは優先サプライヤーに高圧海底・地下ケーブルメーカーの伊プリズミアンを選んだ。ケーブルの総延長は700キロメートルを超える見通し。現在は設計や敷設方法の検討などを進めている。

■マレー半島部と第2連系線構築へ

 マレーシアの半島部からシンガポールへの電力輸出の拡大に向け、17日には両国の企業が新たな連系線の共同開発契約(JDA)を交わした。容量2000MWの第2連系線を構築する方針で、事業化調査を行う。30年の運用開始を目指す。

 JDAは、◆シンガポール政府系の電力・ガス供給会社SPグループ◆同国政府系で国際連系線開発のシンガポール・エネルギー・インターコネクションズ(SGEI)◆マレーシア国営電力テナガ・ナショナル(TNB)――の3社間で締結した。SPとテナガが今年5月まで行った予備調査に基づき、今後は技術面・商業面に関する本格的な事業化調査を行う。

 両国間の第1連系線は1983年に整備され、22年には容量が1000MWに拡大された。


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