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  ニュース     2025/12/04 20:58 NEW!!

シンガポール:企業の6割が採用凍結、賃上げにも慎重=経営者連盟 無料記事

 シンガポール全国経営者連盟(SNEF)が2日公表した調査結果で、2026年に採用や賃上げに慎重な姿勢を取る企業が増えていることが分かった。事業見通しが不透明なことを背景に、採用を凍結すると答えた企業が6割近くに上った。

 調査は6月25日~8月15日に実施し、19業種の約240社(従業員12万人超)が回答。事業見通しを「不透明」とする企業は72%に達し、前年の58%から大きく割合が上昇した。

 こうした中で雇用には慎重で、26年に「採用を凍結する」と答えた企業は58%に達した。前年の50%から上昇し、特に従業員50人以下の中小企業でその傾向が強かった。「人員削減する」と答えた企業は8%で、前年(9%)とほぼ横ばい。200人超の大企業が削減に踏み切る割合が高かった。「増員する」と答えた企業は3社に1社だった。

 賃金面では、48%が25/26年度に「賃金抑制または給与凍結」を実施する方針で、割合は前年から10ポイント上昇。人件費の上昇を課題に挙げた企業は79%と多く、他に専門職・部長級管理職・エグゼクティブ・技術者(PMET)の確保・定着の難しさや高度人材の不足も引き続き深刻となっている。対応として「競争力のある給与・福利厚生を維持する」企業は62%にとどまり、「柔軟な働き方を導入する」企業は30%と前年の49%から大きく低下した。

 慎重な見通しが広がる一方、低賃金労働者への処遇は引き続き改善が見込まれる。総月収2700シンガポールドル(約32万円)以下の労働者を雇用する企業の96%が26年のベースアップを予定し、約4割が他層より高い昇給率とする意向。SNEFの代表者は、「不確実な環境下でも人への投資が経済回復につながる」と述べ、全国賃金審議会(NWC)のガイドラインに沿った賃金決定を促した。


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