中国の自動車用モーター大手である浙江勝華波電器（SHB）は17日、ジョホール州の自由貿易区内で海外初工場を開設した。総投資額は6億リンギ（約214億円）。世界戦略の一環で、東南アジア地域への長期的な展開を見据える。

　工業団地「セナイ・エアポートシティー（SAC）」内に工場を設けた。自動車シート用のモーターとワイパーシステムを生産する。年産能力はそれぞれ2000万個、300万基で、フル稼働時の年間売上高は約15億リンギを見込む。

　工場には高度自動化された組立ラインと先進的な試験設備を導入。米国のテスラやゼネラル・モーターズ（GM）、ドイツのBMWやフォルクスワーゲン（VW）など世界の主要自動車メーカーとティア1サプライヤー向けの生産に対応する。約200人の熟練技術者を新規雇用し、約100社の地場サプライヤーから部品を調達する計画で、州内の経済やマレーシアの製造業サプライチェーン（供給網）の強化にも寄与する。

　SACは中国でシートモーターやワイパーシステムのほか、パワーウインドーやサンルーフ向けのモーターを製造。7700人の従業員を擁し、年産生産は7000万個を超える。国営ベルナマ通信によると、2030年までに売上高を60億リンギ規模へ倍増させる目標を掲げており、ジョホール工場がその成長の中核を担うとしている。


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