マレーシア統計局が19日発表した貿易統計によると、2025年8月の輸出額は前年同月比1.9％増の1315億9790万リンギ（約4兆6000億円）だった。前年同月を上回るのは2カ月連続。ただ前月からは伸びが減速した。関税引き上げ前の特需で5月ごろまで大きく伸びていた対米輸出が減少に転じた。全体の輸入額は5.9％減の1154億7230万リンギ、貿易収支は161億2570万リンギの黒字だった。

　輸出を品目別に見ると、主力の電気・電子製品（10.1％増）は11カ月連続のプラス。シンガポール向け（10.9％増）や中国向け（10.2％増）がけん引した。機械・部品（14.5％増）やパーム油（9.1％増）も前年同月を上回った。一方、石油製品（17.6％減）が引き続き落ち込んだほか、24年秋ごろに米国向けが大きく伸びていたゴム製品（18.5％減）も2桁のマイナスだった。

　主要国・地域への輸出では、最大のシンガポール（2.7％増）と2番目に大きい中国（10.4％増）などがプラス。両国とも電気・電子製品の伸びが寄与した。一方、3番目の米国（16.7％減）は、需要の先食いが終わった影響とみられ、2桁のマイナスに転じた。日本（15.4％減）も落ち込んだ。

　輸入は品目別で最大の電気・電子製品（1.2％減）が20カ月ぶりの前年割れを記録。また、鉄鋼（18.8％減）は足元で落ち込みが続いている。国別では最大の中国（4.0％増）で前年同月を上回ったものの、主要国・地域の多くは前年を割り込み、日本（13.9％減）は12カ月連続のマイナスだった。

　1～8月の累計は、輸出額が前年同期比3.9％増の1兆316億8680万リンギ、輸入額が3.6％増の9456億1720万リンギ、貿易収支が860億6960万リンギの黒字だった。


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