調査会社フィッチ・ソリューションズ傘下のBMIリサーチは、マレーシアの2023年の国内総生産（GDP）成長率予想を従来の4.2％から4.0％に下方修正した。外需の減退に伴う輸出の低迷と金融引き締めが主な理由としている。ニュー・ストレーツ・タイムズが23日付で伝えた。

　マレーシア中央銀行が18日発表した第2四半期の実質国内総生産（GDP）成長率は前年同期比2.9％で、前四半期の5.6％から伸びが鈍化。個人消費や投資は堅調だが、世界的な景気減退で輸出が9.4％減少したことが響いた。BMIリサーチは、輸出動向と金融情勢をみると、従来予想通りの成長率は見込めないとしている。

　BMIは一方で、マレーシア中銀による利上げは終了したとの見方を示した。中銀は22年5月から1年間で翌日物政策金利（OPR）を累計1.25％引き上げ、過去最も速いペースで利上げしており、BMIは、消費や投資への重しになっていると指摘。一方で利下げは24年上半期まではないとみている。

　中銀は、第2四半期のGDP成長率を発表後も23年通期の成長率予想を4.0〜5.0％に維持。今後も内需がけん引すると見込む。一方、金融引き締めなどで海外経済が予想以上に弱く、輸出の低迷が下振れリスクになり得るとみている。


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