マレーシア統計局は21日、2024年第3四半期の国内総生産（GDP、1次速報）成長率が5.3％だったと発表した。前四半期の5.9％を下回り、3四半期ぶりに減速。ただ統計局は、安定した労働市場や適度なインフレ、財政・金融政策の緩和、観光業の回復により安定的な成長が続いたと分析している。

　今回は8月までのデータを基にGDPを推計した。2次速報値は11月15日に発表する。

　産業別にみると、建設業の成長率は19.5％で、前四半期の17.3％からさらに加速。非住宅分野がとりわけ好調だった。製造業は5.7％で、前四半期の4.7％から伸びが加速。電気・電子や光学、石油化学、ゴム・プラスチックなどの産業で生産が活発だった。

　サービス業は5.9％から5.1％に伸びが減速。ただ支出拡大や観光業の回復を背景に卸小売りや運輸・倉庫の好調は続いている。農業は4.0％で、前四半期の7.2％から減速。パーム油産業の成長減速が影響した。一方、鉱業はマイナス3.4％で、前四半期のプラス2.7％からマイナスに転じた。天然ガスや原油・コンデンセートの生産減少が背景にある。

　1～9月のGDP成長率は5.1％。前年同期の3.8％から加速した。全ての産業がプラスで、建設業が16.3％と伸びをけん引。製造業は4.1％と前年同期の1.1％から伸びが加速した。サービス業は5.3％、鉱業は1.8％、農業は4.3％となっている。

　なお政府は18日、国内消費や輸出、観光業の活性化を背景に、24年の成長率予想を従来の4.0～5.0％から4.8～5.3％に上方修正している。


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