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  ニュース     2025/03/25 21:59 NEW!!

マレーシア:25年のGDP成長率、4.5~5.5%予想=中銀 無料記事

 マレーシア中央銀行は24日、2025年の国内総生産(GDP)成長率が4.5~5.5%になるとの予想を発表した。24年の5.1%から減速する可能性を含みつつも、堅調な成長を維持するとの見方。米国の関税措置(トランプ関税)など世界経済の不確実性の高まりで輸出の伸び鈍化が懸念されるものの、個人消費や民間投資など内需が引き続き成長をけん引するとみている。

 同日に公表した24年度版の年次報告書に示したもので、中銀は、個人消費や民間投資の拡大、公共インフラ整備、公務員給与の引き上げなどが25年の成長を支えると分析。輸出については米国の関税引き上げといった不確実性の高まりにより緩やかな伸びにとどまる可能性もあるとした一方、電気・電子産業の世界的な回復がプラス材料になると見込む。

 25年のインフレ率は2.0~3.5%で、24年の1.8%からは伸びが加速すると予想。燃料補助金の合理化や販売・サービス税(SST)の対象拡大、最低賃金の引き上げなどを背景に、インフレ率は上昇基調だが「管理可能な範囲」にとどまるとの見解を示した。

 中銀は国内外の状況を踏まえ、現在は価格安定と持続的成長を両立する金融政策を講じていると説明した。翌日物政策金利(OPR)は23年7月から3.00%に据え置いている。米連邦準備制度理事会(FRB)が今年2度の利下げを行うとの観測が強いが、ニュー・ストレーツ・タイムズによると、アブドゥル・ラシード中銀総裁は会見で、米国の利上げがマレーシアの経済成長や物価に与える影響をみて政策判断すると述べている。

 中銀は24年のマレーシア経済が順調に推移したとの見方。GDP成長率は5.1%と2年ぶりに加速した一方、インフレ率は1.8%と前年(2.5%)から鈍化した。通貨リンギは24年末時点で対米ドルでは2.7%上昇、主要貿易相手国通貨に対して7.5%上昇したと評価している。


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