詳細
検索
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

  ニュース     2025/03/30 21:55

シンガポール:中心部の高級オフィス賃料、1Qは横ばい 無料記事

 不動産コンサルタントの英系ナイトフランクによると、中心部のラッフルズ・プレイスとマリーナ・ベイ地区の高級オフィス賃料は2025年第1四半期に1平方フィート当たり11.36シンガポール(約1280円)となり、前四半期比で横ばいだった。前年同期比では1.4%上昇し、24年第1四半期の3.4%上昇から伸びが減速した。

 Aプラス級とA級物件の賃料を調べたもので、第1四半期の入居率は95.0%と、前四半期から1.4ポイント上昇した。多くの入居者が契約内容をそのまま更新し、また老朽化したオフィスから高級物件に転居する動きもみられ、総じて入居率は上がった。

 中央商業地区(CBD)全体のA級オフィス入居率は93.5%で、前期から0.2ポイント低下。賃料は11.36シンガポールドルで横ばいだった。ただ地区によりばらつきがあり、シェントンウェイ、ロビンソン通り、タンジョン・パガーを含む地区では入居率が10.0ポイント下がって87.4%となった。開業したばかりの大型オフィスビル「ケッペル・サウスセントラル」で入居率が50%を下回ることが一因で、この地区のA級オフィス賃料は前四半期比0.3%低下して10.1~10.6シンガポールドルとなった。

 それ以外の地域では郊外も含め入居率はほぼ横ばい。ただ新築オフィスビルの建設が近年多い東部パヤレバでは入居率が14.2%下がって84.4%となった。

 ナイトフランクは、現在は新型コロナウイルス流行中に安価な物件に入居した企業がより良い物件に移転する動きや、老朽化した物件から新しい物件に移る動きもみられると説明。ただしAI(人工知能)導入で業務が効率化され、以前よりも面積を必要としないケースも目立っているとしている。

 一方、25年以降は中心部での大型物件建設が限定的で、3万平方フィート以上のA級物件を見つけることは短中期的に困難になるとしている。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース

関連産業レポート