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  ニュース     2023/08/14 20:59

シンガポール:2Qの経済成長率0.5%、通年予想を下方修正 無料記事

 貿易産業省は11日、2023年第2四半期の実質国内総生産(GDP、確定値)成長率が前年同期比0.5%だったと発表した。速報値の0.7%から下がったが、プラス成長は10四半期連続。前四半期の0.4%を上回り、4四半期ぶりに伸びが加速した。世界的な景気後退による輸出低迷で製造業が引き続きマイナス成長だったものの、建設業とサービス業の好調が補った。貿産省は一方で、上半期の経済指標や世界情勢を踏まえ、23年のGDP成長率の予想レンジを0.5〜1.5%とし、以前の0.5〜2.5%から上限を引き下げた。

 第2四半期の成長率を産業別にみると、製造業がマイナス7.3%で前四半期のマイナス5.4%から下げ幅を拡大し、全体を押し下げた。建設業は6.8%(前四半期=6.9%)、サービス業は2.6%(同1.9%)とプラス成長を維持した。

 製造業では、航空関連などが好調な輸送エンジニアリングを除く各部門で生産が縮小した。一方、建設業は民間・公共事業とも好調。サービス業は11部門のうち10部門でプラスとなり、観光業の回復などで宿泊が13.0%と大きく伸び、不動産が12.0%で続いた。一方、金融・保険はマイナス1.7%で唯一下がった。

 第2四半期の成長率は季節調整済み前四半期比でプラス0.1%。2四半期ぶりのプラスとなった。産業別では製造業がマイナス1.0%で、2四半期連続の減少。ただ下げ幅は前四半期の4.6%から縮小した。建設業はプラス2.7%で、前四半期の0.3%から伸びが加速。サービス業はプラス0.8%で、前四半期の0.4%から加速した。

 貿産省は今回、23年の成長率予想を0.5〜1.5%とし、上限を下方修正した。新型コロナウイルス関連規制の緩和が国内の観光業や航空業に好影響を与える一方、予想より高い先進国のインフレとそれに対応するための急激な金融引き締め、ロシア・ウクライナ戦争の激化による世界のサプライチェーン(供給網)停滞リスクなどを考慮し、上限を引き下げたとしている。


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