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  ニュース     2025/02/16 22:58

マレーシア:24年の経済成長率5.1%、2年ぶり加速 無料記事

 マレーシア中央銀行は14日、2024年の国内総生産(GDP、2次速報)成長率が前年比5.1%だったと発表した。1月に発表した1次速報と同じ水準で、前年(3.6%)を上回り、2年ぶりに成長が加速。国内消費や輸出、投資がいずれも堅調で、政府予想レンジ(4.8~5.3%)の中央付近に収まった。

 全ての産業で前年から伸びが加速した。最も成長率が高かったのは建設業の17.5%で、住宅・非住宅・特殊建築部門の活発な活動が寄与。前年の6.1%を大きく上回った。サービス業は5.4%と前年の5.1%からやや伸びが加速。消費者向け、企業向けのサービスがともに成長を支えた。製造業は4.2%と前年の0.7%から大きく加速。電気・電子関連の需要増が貢献した。農業は3.1%(前年0.7%)、鉱業は0.9%(同0.5%)だった。

 GDP成長率を支出別にみると、民間投資が12.3%、公共投資が11.1%と2桁の成長。GDPの60.7%を占める個人消費は5.1%で、前年の4.7%から伸びが加速した。政府支出も4.7%と前年から成長が加速。輸出は8.5%、輸入は8.9%で、純輸出は2.2%成長した。

 24年第4四半期のGDP成長率は前年同期比5.0%。前四半期(5.4%)から若干減速したが、引き続き力強い成長を維持した。産業別ではサービス業が5.5%と、前四半期(5.2%)を唯一上回った。製造業は4.4%で、前四半期の5.6%から減速。農業はマイナス0.5%で縮小に転じ、鉱業はマイナス0.9%で2四半期連続の縮小となった。

 24年のインフレ率は1.8%で、前年の2.5%から減速。コアインフレも1.8%で、前年の3.0%から大きく伸びが鈍化した。食品価格の上昇を通信・燃料価格の低下が相殺した。一方、通貨リンギは24年に米ドルに対して2.7%上昇し、輸入価格の上昇を抑えた。

 アブドゥル・ラシド・ガフール中銀総裁は、25年は投資の拡大、堅調な個人消費、輸出の伸びが成長を支えるとの見方を示した。国内では政府・民間の長期プロジェクトが進展し、最低賃金や公務員給与の引き上げが消費を後押しすると説明。外需では、半導体市場の回復や観光業の拡大が期待されるが、貿易制限や主要国の景気減速がリスク要因になるとしている。一方、インフレは25年を通して管理可能な水準を維持する見込みとしている。


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