中国自動車メーカー、奇瑞汽車（チェリー）傘下の捷途汽車（ジェトゥア）が市場参入した。9日に第1弾となる小型スポーツ多目的車（SUV）「ダシン（大聖）」を発売。最初の100台は中国からの輸入で、来月からは複合企業大手の地場ベルジャヤ・グループと組んで現地組立生産を始める。マレーシア国内で販売するほか、輸出も行うとしている。ポールタンなどが同日付で伝えた。

　ダシンは排気量1500ccの5人乗りCセグメントSUVで、出力は156馬力。マレーシアでは「コンフォート」と「プライム」の2グレードを発売し、価格はそれぞれ10万9800リンギ（約360万円）、11万6800リンギとしている。

　捷途汽車はマレーシアを市場としてだけでなく、生産や研究開発（R&D）の拠点としても位置付けている。現地法人のジェトゥア・マレーシアを通じて、生産拠点の構築に5億6000万リンギ、R&Dに2億1600万リンギ、販売網整備に6500万リンギを投じる計画。3200人を雇用し、現地調達率40％以上を目指す。

　現地生産に向けては、ベルジャヤ・グループ傘下のベルジャヤ・アセンブリーと提携。同社がジョホール州に持つ工場で生産体制を整え、来月にもダシンの組立生産を開始する。ベルジャヤは今年2月、工場に組立生産ラインを増設して新たな車種の生産に乗り出すと表明していた。

　捷途汽車はマレーシアで、今年第3四半期にオフロード車「T2」、その後は小型オフロード車「T1」を投入する予定。また同国からは東南アジアやオセアニア、中東に輸出する計画で、R&Dセンターではインドネシアやタイ、豪州など各国から市場情報を収集してモデル開発や商品企画に生かすとしている。


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