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  ニュース     2025/05/12 20:57 NEW!!

インドネシア:シンガポールからの燃料輸入削減へ、中東や米国へ移行 無料記事

 政府は、シンガポールからの燃料輸入を徐々に削減して将来は停止し、中東や米国に輸入元を移行する方針を打ち出した。シンガポールが設定する価格が割高なことが一因。また米国から調達することで貿易摩擦を緩和する狙いもある。ジャカルタグローブが11日付で伝えた。

 エネルギー鉱物資源省のバフリル・ラハダリア大臣が10日に明らかにしたもので、シンガポールからの輸入削減は今年11月に開始。まずは60%の削減を目指す。

 バフリル氏は、シンガポールは原油を産出しないにもかかわらず、中東諸国と同水準の価格で精製燃料を販売していると指摘。「なぜ地理的に近い国からの輸入が高くなるのか」と不満をあらわにした。

 一方、燃料輸入元として中東諸国に加え、米国との新たな取引枠組みも模索する。米国とは貿易摩擦の解消を図る一手でもあり、精製燃料や原油、液化石油ガス(LPG)などを調達する方針としている。

 インドネシアの原油生産量は日量約60万バレルで、消費量(100万バレル超)とのギャップを輸入で補っている状況。輸入量に占めるシンガポールの割合は54~59%に上っている。

■国営石油が準備開始

 国営石油プルタミナは12日、政府の方針を受けて、輸入元の見直しに着手する意向を示した。ファジャル・ジョコ報道官は、政府の正式な指示を待つ状況だが、物流コストなどの影響の精査は開始していると述べた。

 政府はまた、遠方からの一括輸送に対応するため、大型タンカーが寄港可能な石油ターミナルを新設することを計画。現在の小型船中心の輸送体制では物流コストがかさむことから、大型タンカーによる輸送でコスト削減を図る。また昨年12月には、シンガポール近隣の島に国家備蓄施設を設ける計画も発表済み。プルタミナが原油の価格変動リスクを回避するため、原油を一括購入・備蓄する体制を整える。

 プラボウォ大統領は先週、インドネシアが年間で約400億米ドルを石油輸入に費やしていると述べ、今後はエネルギー自立を国家目標として掲げる方針を改めて強調した。


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