【亜州ビジネス編集部】携帯電話キャリア5社はこのほど、国営デジタル・ナショナル（DNB）が整備した第5世代（5G）通信網に接続することで契約を交わした。国営1社による5G網管理は独占に当たるとして各社は接続に後ろ向きだったが、うち4社によるDNBへの資本参加が先月決まったことで大きく前進した。ザ・エッジ・マーケッツなどが10月31日付で伝えた。

　政府は効率性の高さから、DNBの1社に5G網を整備させて回線を卸売りする1社独占方式としたが、携帯キャリア各社は透明性や料金の妥当性に疑問があるとして接続をためらっていた。ただ先月にテレコム・マレーシア（TM）とセルコム・アシアタ、デジ・テレコミュニケーションズ、YTLコミュニケーションズの4社によるDNB株65％の取得が決まると、Uモバイルを加えた5社が5G網への接続を決めた。

　今回の契約に基づく接続期間は10年間。デジによると、接続料金などについてDNBが先に提示していた条件から改善されたとしている。

　一方、大手マキシスは接続条件を吟味するとして、契約には至っていない。また同社とUモバイルはDNBへの資本参加を取りやめた。

　DNBは昨年12月に5G通信網の運用を開始した。人口カバー率は今年9月末時点で33.2％。政府は24年までに80％に引き上げる目標を掲げている。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。