【亜州ビジネス編集部】通信大手アシアタ・グループとノルウェー同業大手テレノールは29日、両社のマレーシア国内の携帯通信事業を合併する計画が、マレーシア通信マルチメディア委員会（MCMC）に承認されたと発表した。アシアタの完全子会社セルコム・アシアタとテレノール傘下のデジ・ドットコムが今年末までに合併。国内最大の携帯通信会社となる。
　アシアタとテレノールは昨年6月に合併計画を発表。合併後の新会社は名称をセルコム・デジとし、アシアタとテレノールが33.1％ずつ出資すると表明した。残りの株式は、マレーシア証券取引所に上場するデジ・ドットコムの既存株主が保有する。合併後の加入数は1900万件、売上高は124億リンギ（約3800億円）となる見通し。
　セルコム・デジは5年以内に2億5000万リンギを投じ、クアラルンプールにイノベーションセンターを設置する。第5世代（5G）通信の応用拡大に向けた研究や、国内企業のデジタル化に向けた支援、デジタル人材の育成などを進める。
　アシアタは19年、テレノールのアジア事業と合併して東南・南アジア最大級の携帯通信会社を誕生させる方向で交渉したが、9カ国にまたがる14社の合併が複雑を極め、交渉は決裂。その後、マレーシア国内に絞った合併を協議していた。


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