【亜州ビジネス編集部】鉄道車両の世界最大手、中国中車（CRRC）はこのほど、国際入札を通じて、マレーシア・サラワク州クチンで建設される都市軌道交通2路線の専用車両に採用されたと正式発表した。自社開発したゴムタイヤ式の「スマート軌道電車（ART）」を納入する。
　ARTは、傘下の中車株州電力機車研究所が開発した仮想軌道追従機能と完全電動ゴムタイヤ式車両を採用し、路面電車（トラム）と公共バスの長所を併せ持つ。合計2路線の総延長52キロメートルでART38両が投入される予定。開業すれば、クチンはマレーシアで初めて水素を利用した都市交通システムを導入する都市になる見通しという。
　ARTは中国国内でこれまでに宜賓、株洲、蘇州、西安、ハルビンなどの都市で導入されている。また国内外の40都市が採用意向を示しているという。
　中国中車は15年の大再編で誕生した鉄道車両製造の圧倒的な世界最大手。機関車、客車、貨車など各種鉄道車両の製造を手がける。中国政府が進める「鉄道輸出」戦略の先鋒として、世界各地に鉄道車両を納入している。


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