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  ニュース     2020/08/17 20:59

マレーシア:2Qの経済成長率マイナス17%、通貨危機以降で最悪 無料記事

【亜州ビジネス編集部】 マレーシア中央銀行は14日、2020年第2四半期の国内総生産(GDP)成長率がマイナス17.1%だったと発表した。伸び率は前四半期のプラス0.7%から大幅なマイナスに転落。アジア通貨危機下の1998年第4四半期以降で最悪となった。国内では新型コロナウイルス流行とその対策である移動制限により経済活動が停滞。世界的に景気が冷え込んだ影響で輸出も低調だった。
 成長率を産業別にみると、建設がマイナス44.5%で最も縮小。鉱業はマイナス20.0%、製造はマイナス18.3%、サービスはマイナス16.2%と2桁減が並んだ。唯一プラスだったのは農業で1.0%成長した。
 成長率を支出別にみると、個人消費はマイナス18.5%、民間投資はマイナス26.4%といずれも大きく縮小。政府支出はプラス2.3%と伸びたものの、公共投資は38.7%減少した。輸出は21.7%減、輸入は19.7%減だった。
 成長率は季節調整済み前期比でマイナス16.5%だった。消費者物価は前年同期比でマイナス2.6%。原油価格の下落が主因だった。一方、第2四半期にリンギは米ドルに対して0.5%値を上げた。中銀は、政府の景気刺激策や中銀の金融緩和策を外国人投資家が評価し、資金流入が増えた結果だと説明している。
 中銀は、5月に活動制限令が緩和されたことで経済活動が徐々に活発化しており、20年下半期には小売りや鉱工業生産、輸出などの統計で回復が見られると予想。20年通期のGDP成長率はマイナス3.5〜マイナス5.5%に落ち込むが、21年は5.5〜8.0%の大幅プラスになるとみている。


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