【亜州ビジネス編集部】国営石油ペトロナスは5月30日、二酸化炭素（CO2）の排出を抑えて生産する「CO2フリー水素」の供給網構築で韓国のサムスン物産と提携すると発表した。再生可能エネルギー由来の「グリーン水素」や天然ガス由来の「ブルー水素」をペトロナスがマレーシアで生産し、韓国に供給する方向で検討する。

　ペトロナスは傘下のペトロナス・ハイドロジェン（PH2SB）を通じて覚書を交わした。ペトロナスとサムスン物産はこれまで液化天然ガス（LNG）やアンモニア事業で協力してきた。

　ペトロナスはCO2フリー水素の供給網構築で、ENEOS（エネオス）とも提携している。両社は事業化調査を実施することで今年初めに合意。ペトロナスがトレンガヌ州の工場で生産したCO2フリー水素を輸送効率が高いMCH（メチルシクロヘキサン）に変換し、日本に輸送する。エネオスは日本で再び水素に分離した後、近隣の火力発電所や製鉄所などに供給する。


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