ニュース 2021/02/18 20:56
シンガポール:新年度予算はGDP比2.2%の赤字、歳出は9%増
経済・統計 政策・政治 シンガポール
シンガポールのヘン・スイーキアット副首相兼財務相は16日、4月から始まる新年度の予算案を上程した。歳出は前年度比8.8%増の1023億4000万シンガポールドル(約8兆円)の見込みで、対国内総生産(GDP)比2.2%の赤字を予想している。
最も増加するのが医療関係費で、保健省予算は13%増の188億シンガポールドル。社会の高齢化による医療費・介護費の増加を見込んだ。運輸省予算は38%増の111億シンガポールドルで、経営に苦しむ航空セクターへの支援と低所得の労働者、障害者向け公共輸送機関利用料金補助に多くを充当する。国防省予算は13%増の154億シンガポールドルで、装備の購入と人件費に充当する。通産省、国家開発省の予算は前年以下だ。
経常収入は19%増の766億4000万シンガポールドル。法人所得税、資産税、物品・サービス税(GST)の増収を見込んでいる。これらは昨年度、納入が延期または減免されていた。
国営投資会社など政府機関からの投資収入は8%増の196億シンガポールドル。信託基金への移転、投資収入を除いた基本収支は305億7000万シンガポールドルの赤字になる。
■20年度の赤字は過去最大の650億Sドル
20年度の予算赤字は649億シンガポールドルの見込みで、対GDP比で13.9%になる。独立後、最大の赤字だ。
政府はパンデミック対策のため補正予算を4回にわたり組み、困難に直面した企業、また国民生活を支援。医療関係支出も大幅に増やした。
歳出は推定941億シンガポールドル(当初見込みは836億シンガポールドル)で、通産省、保健省、人材開発省の歳出が特に増加した。企業の雇用維持を後押しする賃金支援「ジョブズ・サポート・スキーム」を通じた支出は269億シンガポールドルに上った。
経常収入は646億シンガポールドル(同760億シンガポールドル)で、法人税、資産税などの納入猶予、減免が影響した。政府は歳入不足を補うため、過去の政権が蓄積した剰余金を引きだした。
■長期的インフラ整備のため新たな国債を発行へ
政府は建設が長期間に及ぶインフラプロジェクトの整備資金を得るため、新たなタイプの国債を発行する計画で、この根拠となる「重要インフラ政府ローン法(SINGA)」を制定する。調達枠は900億シンガポールドル。
計画中の重要インフラ事業はこの先15年の工期を要するとの想定に基づくもので、建設費用負担を世代を越え分散するのが狙い。資金はMRT(地下鉄・高架鉄道)建設や、海面上昇に備えるための土地のかさ上げなどに利用する。
(提供:AsiaX http://www.asiax.biz)
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
最も増加するのが医療関係費で、保健省予算は13%増の188億シンガポールドル。社会の高齢化による医療費・介護費の増加を見込んだ。運輸省予算は38%増の111億シンガポールドルで、経営に苦しむ航空セクターへの支援と低所得の労働者、障害者向け公共輸送機関利用料金補助に多くを充当する。国防省予算は13%増の154億シンガポールドルで、装備の購入と人件費に充当する。通産省、国家開発省の予算は前年以下だ。
経常収入は19%増の766億4000万シンガポールドル。法人所得税、資産税、物品・サービス税(GST)の増収を見込んでいる。これらは昨年度、納入が延期または減免されていた。
国営投資会社など政府機関からの投資収入は8%増の196億シンガポールドル。信託基金への移転、投資収入を除いた基本収支は305億7000万シンガポールドルの赤字になる。
■20年度の赤字は過去最大の650億Sドル
20年度の予算赤字は649億シンガポールドルの見込みで、対GDP比で13.9%になる。独立後、最大の赤字だ。
政府はパンデミック対策のため補正予算を4回にわたり組み、困難に直面した企業、また国民生活を支援。医療関係支出も大幅に増やした。
歳出は推定941億シンガポールドル(当初見込みは836億シンガポールドル)で、通産省、保健省、人材開発省の歳出が特に増加した。企業の雇用維持を後押しする賃金支援「ジョブズ・サポート・スキーム」を通じた支出は269億シンガポールドルに上った。
経常収入は646億シンガポールドル(同760億シンガポールドル)で、法人税、資産税などの納入猶予、減免が影響した。政府は歳入不足を補うため、過去の政権が蓄積した剰余金を引きだした。
■長期的インフラ整備のため新たな国債を発行へ
政府は建設が長期間に及ぶインフラプロジェクトの整備資金を得るため、新たなタイプの国債を発行する計画で、この根拠となる「重要インフラ政府ローン法(SINGA)」を制定する。調達枠は900億シンガポールドル。
計画中の重要インフラ事業はこの先15年の工期を要するとの想定に基づくもので、建設費用負担を世代を越え分散するのが狙い。資金はMRT(地下鉄・高架鉄道)建設や、海面上昇に備えるための土地のかさ上げなどに利用する。
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