【亜州ビジネス編集部】通信大手アシアタ・グループとノルウェー同業大手テレノールは21日、両社のマレーシア国内の携帯キャリア事業を合併することで正式合意したと発表した。アシアタの完全子会社セルコム・アシアタとテレノール傘下のデジ・ドットコムが合併。加入数1900万件、売上高124億リンギ（約3300億円）、時価総額500億リンギの国内最大の携帯キャリアとなる。
　新会社の名称はセルコム・デジ。2022年第2四半期の合併実現を目指す。株主構成はアシアタとテレノールが33.1％ずつで、残りはマレーシア証券取引所に上場するデジ・ドットコムの既存株主が保有する。投資ファンドなどの出資を合わせ、マレーシア側の持ち分は51％以上を見込む。
　業務統合については今後詳細を詰めるが、コスト削減や投資効率化などによって80億リンギのシナジー効果を見込む。スケールメリットを生かしてサービス拡充に努めるとともに、合併から5年以内に2億5000万リンギを投じ、クアラルンプールにイノベーションセンターを設置。第5世代（5G）通信の応用拡大に向けた研究や、国内企業のデジタル化に向けた支援、デジタル人材の育成などを進める。
　アシアタは19年、テレノールのアジア事業と合併して東南・南アジア最大級の携帯キャリアを誕生させる方向で交渉したが、9カ国にまたがる14社の合併が複雑を極め、交渉は決裂。その後、マレーシア国内に絞った合併を協議していた。


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