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  ニュース     2021/01/04 21:59

シンガポール:20年成長率5.8%減、製造業はプラス 無料記事

【亜州ビジネス編集部】貿易産業省は4日、2020年の実質国内総生産(GDP、速報値)成長率がマイナス5.8%となり、19年のプラス0.7%から縮小に転じたと発表した。新型コロナウイルス流行による経済活動の停滞が原因。ただ同省が11月に発表したマイナス6.0〜マイナス6.5%の予想よりは下げ幅が小さかった。製造業が下半期にプラス成長を維持したことで、全体の下げ幅が縮小した。
 産業別にみると、製造業が7.1%のプラスで最も伸び、前年のマイナス1.4%からプラス転換した。一方、建設業はマイナス33.7%と大幅に落ち込み、前年のプラス2.8%から縮小に転じた。サービス業はマイナス7.8%で、前年のプラス1.1%からマイナスに落ち込んだ。
 第4四半期のGDP成長率は前年同期比でマイナス3.8%。前四半期のマイナス5.6%より下げ幅は小さく、2四半期連続で改善した。最も伸びたのは製造業の9.5%で、前四半期の10.8%から2四半期連続でプラス。半導体を含む電気・電子部門のほか、精密エンジニアリングやバイオ医療が好調で、輸送エンジニアリングなどの落ち込みをカバーした。一方、建設はマイナス28.5%で3四半期連続の大幅縮小。ただ第2四半期のマイナス61.0%から改善に向かっている。サービス業はマイナス6.8%で、4四半期連続のマイナス。ただ下げ幅は2四半期連続で縮小した。
 ビジネスタイムズによれば、UOB銀行のエコノミストは、20年はマイナス成長となったものの、製造業がけん引して同年下半期から上向いていると指摘。ただし今後の回復は緩やかで、安定性に欠くとの見方を示した。シティバンクのアナリストは、12月28日から経済活動再開の最終段階である第3段階(フェーズ3)に移行後も観光業は低調で、労働市場も活性化しない可能性があると説明。新型コロナの再流行で再び経済活動が停滞する可能性もあるとしている。


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