グエン・スアン・フック首相は、追加の景気刺激策を講じるよう財務省に指示した。新型コロナウイルス流行で打撃を受けた経済の回復を早めるためで、対国内総生産（GDP）比3〜4％の範囲で追加の財政赤字を許容するとしている。ハノイタイムズが7日付で伝えた。

　首相は、減税や納税期限延長、公共投資拡大といった形で追加の景気刺激策を講じるよう指示。現在の政府債務残高はGDP比55％で、国会が定めた上限の65％を大きく下回っており、さらなる景気刺激策が実行可能として、GDP比3〜4％の財政赤字を追加で許容するとした。

　首相は、「財政均衡だけに注力すべきでない。今回のような危機的状況下では経済活動を活発化させることが重要」と述べた。その上で財務省に対し、2020年の公共支出目標である700兆ドン（約3兆2300億円）の達成に尽力するよう念を押した。先の報道では、上半期の公共支出は年目標の20％しか達していないと伝えられている。

　財務省によれば、20年上半期の歳入は通年目標の44.2％止まりで、13年以降で最低。新型コロナで景気が低迷したほか、企業救済のため、納税期限を5カ月延長したことなどが響いた。政府は20年のGDP成長率をベースシナリオで4.5％と予想。最悪のシナリオでは3.6％に落ち込むとみている。


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