工業省工場局の集計によると、2020年上半期の工場操業・拡張の申請数は前年同期比10.2％増の1702件だった。新規雇用は79.2％増の12万3794人に拡大し、過去3年で最多となった。一方、投資額は14.1％減の1748億5047万バーツ（約6080億円）に落ち込んだ。6月30日付クルンテープ・トゥラキットなどが伝えた。
　新型コロナウイルス流行の影響で世界的に経済成長が減速しているが、投資計画への影響は軽微だった。ただ、下半期に影響が出てくる可能性もあり、同局は動向を注視していく必要があるとの見方を示した。また、新規雇用の拡大は、新卒者と新型コロナによる失業者の就職支援につながると期待を示した。
　新規操業の申請数が3.4％減の1267件、新規雇用が25.6％増の5万2692人、投資額が30.2％減の711億2196万バーツ。既存工場の拡張がそれぞれ13.6％増の435件、53.7％増の7万1102人、16.1％増の1037億2851万バーツだった。
　業種別では、◆「食品」＝44.8％増の97件、44.2％増の1万5631人、50.2％増の143億9043万バーツ◆「プラスチック製品」＝41.9％増の36件、36.2％減の2363人、64.9％減の27億6392万バーツ◆「植物製品」＝6.7％増の32件、79.6％増の1706人、46.7％増の52億6672万バーツ――の順に申請数が多かった。
■工場閉鎖、404件に
　一方、上半期の工場閉鎖件数は計404件に上り、労働者1万6680人が解雇された。これにより失われた投資価値は254億バーツに上る。
　閉鎖に追い込まれた工場の大部分は新型コロナによって経済活動が制限を受けた中小企業だ。ただ、工場閉鎖件数は前年同期も666件に上っていたため、同局は状況は深刻ではないと受け止めている。

　



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