シンガポール統計局が23日発表した2025年5月の消費者物価指数（CPI）上昇率は、前年同月比で0.8％だった。上昇率は前月（0.9％）を下回り、4カ月ぶりに減速。21年2月以来、4年3カ月ぶり低水準となった。食品（1.1％）などの伸びが鈍化した。民間道路輸送（1.1％）と住居（1.1％）を除くコア指数の上昇率は0.6％と、前月（0.7％）を下回った。

　食品は3カ月ぶりに伸びが縮小。野菜や果物などが減速したほか、水産物がマイナスに転じた。民間道路輸送では自動車の伸びが鈍化。ほか、電力（マイナス4.0％）は5カ月連続のマイナスで、下落幅が拡大した。

　シンガポール金融管理庁（MAS）と貿易産業省は、25年の上昇率予測をCPI、コア指数とも0.5～1.5％とし、前月時点の予測から据え置いた。原油価格は足元で上昇しているものの、依然として前年平均と同水準にあり、今後も輸入インフレの緩和が続くと予測。また、国内では政府の補助金によって医療など公共サービス分野の値上がりが抑制されるとみている。


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