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  ニュース     2020/11/24 21:58

シンガポール:3Q成長率5.8%減、製造業が2桁成長=確定値 無料記事

【亜州ビジネス編集部】貿易産業省は23日、2020年第3四半期の実質国内総生産(GDP)成長率の確定値が前年同期比でマイナス5.8%だったと発表した。マイナス7.0%としていた速報値から上方改定。過去最悪だった前四半期のマイナス13.3%からは下げ幅が大幅に縮小した。第5世代(5G)通信市場の拡大により世界の半導体需要が増える中、製造業が2桁の伸びを示した。
 産業別にみると、速報値でプラス2.0%としてた製造業を10.0%に上方改定。前四半期のマイナス0.8%からプラスに転じた。半導体を含む電気・電子部門のほか、精密エンジニアリングやバイオ医療が好調で、輸送エンジニアリングなどの落ち込みをカバーした。一方、建設はマイナス46.6%で最も落ち込み、速報値のマイナス44.7%を下方改定。新型コロナの影響で公共、民間ともに建設事業が遅れた影響が出た。ただし前四半期のマイナス60.0%からは下げ幅が縮小した。サービス業はマイナス8.4%で、前四半期のマイナス13.4%から下げ幅が縮小。ただ依然として観光業や運輸業の不振が続いている。
 一方、全体のGDP成長率は季節調整済み前期比年率でプラス9.2%となり、前四半期のマイナス13.2%からプラスに転じた。産業別では建設業が34.5%、サービス業が6.0%、製造業が12.1%のいずれもプラスだった。
■20年はマイナス6.0〜マイナス6.5%予想
 第1〜3四半期の統計データが出そろったことを受け、貿易産業省はマイナス5.0〜マイナス7.0%としていた20年のGDP成長率予想レンジをマイナス6.0〜マイナス6.5%に狭めた。世界的な経済状況については、新型コロナ感染を抑制した中国は回復に転じたが、感染拡大する欧米では回復が遅れると指摘。国内では観光業や外食業が依然として不調だが、世界の5G市場拡大により、半導体やデータセンター、クラウドサービスの各業界が好調になるとみている。
 21年の成長率はプラス4.0〜6.0%と予想。製造業が回復をけん引するほか、観光業や建設業が徐々に上向くとみている。ただし新型コロナ前の状況に経済が戻るには21年末までかかるとしている。


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