ラオス計画投資省は6月26日に発表したリポートで、2025年の実質国内総生産（GDP）成長率が前年比4.5％となり、前年から0.2ポイント加速する見通しを明らかにした。前年に落ち込んでいた稲作など耕種農業がプラスを回復するほか、観光客の増加でサービス業の成長が加速すると見込む。ただ世界経済の先行き不透明感が高まる中、政府が計画する4.8％成長は下回るとみている。

　産業別のGDP成長率は、第1次産業（3.5％）が前年（1.4％）を大きく上回る見通し。前年は洪水などの影響で耕種農業がマイナス成長だったが、25年は政策の後押しもあって生産量が回復すると見込む。また第3次産業（5.6％）では卸小売り・車両修理サービス業（5.4％）など多くの分野で成長が加速すると予測。特に観光客の増加で運輸・倉庫（13.2％）と宿泊・飲食サービス（10.6％）が2桁増を維持するとみている。

　一方、第2次産業（4.0％）は伸びが鈍化する見通し。主要輸出品目である電力（3.4％）が前年（6.2％）から大きく鈍化すると予測した。

　1人当たりGDPは2225米ドルとなり、前年を12.9％上回る見通し。21年（2595米ドル）以来、4年ぶりの高水準になると見込む。

　24年のGDP成長率は4.3％だった。通貨安や物価高、自然災害などの逆風があったものの、観光業の拡大や工業製品輸出の増加などにより、年間を通じて堅調な伸びを維持した。


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