フィリピン統計庁（PSA）が7日発表した2025年9月の消費者物価指数（CPI）上昇率は、前年同月比で1.7％となり、前月（1.5％）から加速した。前月を上回るのは2カ月連続で、上げ幅は3月以来、6カ月ぶりの高水準となった。前月と同様に天候不順で青果物の価格が上昇したほか、燃料高も物価上昇圧力となった。

　CPI上昇率は、フィリピン中央銀行（BSP）の事前予測（1.5～2.3％）の範囲に収まり、政府インフレ目標（2.0～4.0％）の下限を6カ月連続で下回っている。一部食品とエネルギーを除くコア指数は2.6％で、前月から0.1ポイント低下した。

　分野別では全13分野のうち食品・非アルコール飲料（1.0％）など2分野のみで伸びが加速。他に前月までマイナスが続いていた運輸（1.0％）が6カ月ぶりにプラス転換した。一方、健康（2.8％）など3分野は前月から伸びが鈍化し、残り7分野は横ばいだった。

　食品では野菜（19.4％）の急騰が続く。一方、コメ（マイナス16.9％）は政府が国内農家救済のため輸入を停止したにもかかわらず、2桁のマイナスで推移している。

　1～9月のCPI上昇率は前年同期比で1.7％となり、政府の年間目標を下回っている。


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