ニュース 2025/06/01 20:57
シンガポール:企業の4割、向こう1年の「経済悪化」見込み=SBF 
経済・統計 シンガポール
シンガポール事業連盟(SBF)が発表した2025年第1四半期の全国ビジネス調査報告書で、向こう12カ月間に経済が「悪化する」と答えた企業の割合は40%となり、前回(24年第4四半期)の22%から大幅に上昇した。
調査は主要業種の526社を対象として3月27日~4月21日に実施。うち83%が中小企業、17%が大企業で、中小企業では「悪化する」との回答が23%から41%に、大企業では18%から38%にそれぞれ上昇した。
報告書では、今回初めて事業者の総合的な企業景況感指数(BSI)を算出。結果は56.5で、「中立的」としている。指数は売上高見通しや採用意欲、コスト見通し、利益見通しなど11項目を総合したもの。80~100が「非常に楽観的」、60~80が「やや楽観的」、40~59が「中立的」、20~39が「やや悲観的」、1~19が「非常に悲観的」と定義しており、今後の調査に生かす。
業種別では飲食・宿泊と医療・福祉、小売りの楽観度が低く、飲食・宿泊のBSIは52.2と全業種で最低だった。売上高・利益見通し、事業拡大意欲、設備投資計画、成長期待も他業種に比べ低水準だった。
一方、銀行・保険はBSIが61.2、教育は60.5で比較的楽観的な見通し。両業種は売上高・利益見通しでも他業種を上回った。また事業拡大意欲については、教育が66.6、銀行・保険が65.6で、全体の61.6を上回った。
■25年度政府予算には肯定的
政府が2月に発表して国会が翌月承認した25年度予算については、企業の92%が「満足」または「中立」と回答。◆法人税50%還付◆賃金支援スキーム強化◆中央積立基金(CPF)移行補助金◆シニア雇用支援金の延長◆スキルズフューチャー労働力開発助成金の新設――の順に評価が高かった。
一方、企業の変革意欲は引き続き高く、51%が国際展開、36%がAI(人工知能)開発を優先分野として挙げた。ただ資金繰りに課題を抱える企業も多く、22%が「資金不足」と回答。うち35%は「向こう3~6カ月分の運転資金が確保できない」とした。政府による融資支援策の拡充や返済条件の柔軟化、代替的な資金調達手段の提供を求める声が多かった。
SBFのコク・ピン・スーン最高経営責任者(CEO)は「景気見通しの悪化は厳しい経営環境を反映しているが、25年度予算に対する企業の評価は高く、変革意欲が維持されていることも心強い」と述べた。また米国の関税措置の影響もあり、より大きな融資枠と長期融資が必要になっているとし、政府や金融機関との連携を強化する意向をみせている。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
調査は主要業種の526社を対象として3月27日~4月21日に実施。うち83%が中小企業、17%が大企業で、中小企業では「悪化する」との回答が23%から41%に、大企業では18%から38%にそれぞれ上昇した。
報告書では、今回初めて事業者の総合的な企業景況感指数(BSI)を算出。結果は56.5で、「中立的」としている。指数は売上高見通しや採用意欲、コスト見通し、利益見通しなど11項目を総合したもの。80~100が「非常に楽観的」、60~80が「やや楽観的」、40~59が「中立的」、20~39が「やや悲観的」、1~19が「非常に悲観的」と定義しており、今後の調査に生かす。
業種別では飲食・宿泊と医療・福祉、小売りの楽観度が低く、飲食・宿泊のBSIは52.2と全業種で最低だった。売上高・利益見通し、事業拡大意欲、設備投資計画、成長期待も他業種に比べ低水準だった。
一方、銀行・保険はBSIが61.2、教育は60.5で比較的楽観的な見通し。両業種は売上高・利益見通しでも他業種を上回った。また事業拡大意欲については、教育が66.6、銀行・保険が65.6で、全体の61.6を上回った。
■25年度政府予算には肯定的
政府が2月に発表して国会が翌月承認した25年度予算については、企業の92%が「満足」または「中立」と回答。◆法人税50%還付◆賃金支援スキーム強化◆中央積立基金(CPF)移行補助金◆シニア雇用支援金の延長◆スキルズフューチャー労働力開発助成金の新設――の順に評価が高かった。
一方、企業の変革意欲は引き続き高く、51%が国際展開、36%がAI(人工知能)開発を優先分野として挙げた。ただ資金繰りに課題を抱える企業も多く、22%が「資金不足」と回答。うち35%は「向こう3~6カ月分の運転資金が確保できない」とした。政府による融資支援策の拡充や返済条件の柔軟化、代替的な資金調達手段の提供を求める声が多かった。
SBFのコク・ピン・スーン最高経営責任者(CEO)は「景気見通しの悪化は厳しい経営環境を反映しているが、25年度予算に対する企業の評価は高く、変革意欲が維持されていることも心強い」と述べた。また米国の関税措置の影響もあり、より大きな融資枠と長期融資が必要になっているとし、政府や金融機関との連携を強化する意向をみせている。
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